伝統技術の伝承!左官工事

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名古屋城本丸御殿の復元工事が進んでいますが、本丸御殿建築の 工事過程には様々なものがあります。本丸御殿復元の1つのテーマ でもある「伝統技術の継承」は、この工事過程のなかで着実に なされています。このコーナーでは、左官工事の様々な行程を 映像で紹介しています。


詳しくは下記の解説と関連映像(解説下)をご覧ください

本丸御殿左官工事の流れ

荒壁土作り

荒壁土作り

2種類の山土をバックホウ(ドラグショベル)で混ぜ、それに、農用裁断機を使用し7cm程に刻まれた藁スサを土の上に均一にまきます。再びバックホウで混ぜ、養生のためブルーシートで覆います。土と水がなじませるため、2日間の行程をかけ水あわせを行います。混ぜ終わった荒壁土は平らにならし水を張って寝かせ、その間に藁スサの腐り具合を確認します。寝かせている間に途中2回ほど藁スサを足しながら練り返しを行い、荒壁土ができるまでの間しばらく寝かせます。

小舞掻(こまいかき)

荒壁土作り

土壁の骨組みとなる小舞を組む作業を小舞掻と呼びます。縦横の間渡竹(まわたしだけ)を間渡穴に挿し、間渡竹を壁貫に釘で固定します。壁土の付着を良くするため、塗り込め面の貫に手斧で鋸目を入れておきます。縦の小舞竹をとりつけから始め、間渡竹と小舞竹が交差するところを縄で固定します。横の小舞竹も縦と同様に縄で固定します。土壁の自重で土壁が少し沈むことを想定し、下部に3cm程度、隙間をあけておきます。

荒壁土塗り・荒壁土 裏返し

荒壁土作り

小舞掻きの終わった部分に、この荒壁土を塗りつけ、上から下へ塗り進めます。これが終わった後、生乾きのうちに反対側から荒壁土を塗りつけます。この作業は「裏返し」と呼ばれています。

貫(ぬき)伏せ

荒壁土作り

貫伏せは貫の位置で土壁に亀裂が生じ易いので、それを防ぐための工程。麻でできた「ひげこ」という左官材料を貫に打ち付け、「ひげこ」を広げながら漆喰を塗りつけてゆきます。その上に寒冷紗を張り、ふたたび漆喰を塗り、さらに漆喰を塗った部分に壁土を塗りこんでいきます。貫の部分は、他の土壁部分より盛り上がった状態になりますが、その後壁土を塗りこむ作業で平らにしてゆきます。

大斑(おおむら)直し

荒壁土作り

壁全体に壁土を塗り込み、不陸(凸凹)を直し壁の厚みを整える作業。最初に大まかに全体を塗り付けます。次に、厚みを均すように鏝で壁全体を仕上げると、滑らかな壁面が姿を現します。貫伏せの作業で、貫の部分が厚く塗られているので、大斑直しではこの部分を除いて壁土を塗ります。塗り終わると、壁面の厚さがほぼ均等になります。

ちり伏せ

荒壁土作り

ちり伏せは、柱と壁のちりまわりで壁の収縮による隙間が生じるのを抑えるために網状の布「のれん」を柱に貼り土壁で塗籠める作業です。まず、のれんに切り込みを入れ、のれんを壁土で塗籠めてゆきます。

小斑(こむら)直し・中塗り

荒壁土作り

小斑(こむら)直しは壁土が乾いてから、さらに全体をムラなく塗り足す作業。荒壁が乾燥してひびが入ったのち中塗りを行い、漆喰塗りへ進む行程の前段階を終わります。

漆喰(しっくい)作り

荒壁土作り

沸かした湯に角又(つのまた)という海草を煮溶かし、海藻のりを作ります。海藻を混ぜながら白く泡がたつまで煮込み、海藻のかすを除くため、煮汁をふるいにかけます。さらに、より目の細かいふるいでこして滑らかにします。海藻のりに、収縮防止やつなぎ効果を与えるスサを加えます。また、なじみやすいようスサをたたき、細かくほぐします。海藻のりにスサを入れ均一に練り混ぜ、そこに、消石灰と貝灰を加え混ぜ合わせていきます。粘りが出るまで良く混ぜ合わせていくと漆喰の出来上がりです。

砂漆喰塗り・漆喰塗り・仕上げ

荒壁土作り

中塗りを終え表面を整えた土壁に、漆喰に砂を加えた砂漆喰を塗ります。砂漆喰の上に漆喰を塗り、漆喰が少し乾いてきたところで表面をこてで押さえ、表面を滑らかに仕上げると土壁に漆喰仕上げの完成です。

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掲載映像の紹介

①名古屋城本丸御殿左官工事の流れ(7min12sec)

本丸御殿復元の行程の一つ、土壁に漆喰仕上げの様子を紹介しています。

②左官工事の流れ短縮版(3min20sec)

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